お客様からよく『ホワイト・ゴールドって何?』と聞かれます。

そういう時は、前回の『品位、含有率について』にも載せましたが、下のグラフを見て頂きながら説明します。

 


K24は純金で100%金です。
K18でしたら金が75%含まれています。1000分率では750です。

では、残りの25%は何が含まれているのでしょう。
ちなみに、この金以外の混ぜ物を割金(わりがね)と言います。
グラフの紫の部分が割金です。

純金は柔らかすぎて製品には向いていません。
ですから、強度を高めたり、耐久性を持たせたり、値段を抑えたりするために割金を加えます。

一般的なK18は金75%、残りの25%が銀と銅です。
銀と銅はほぼ半々、12.5%ずつくらいと言われています。

この割金25%を銀やパラジウムにすることによって、白い色が出ます。
つまり割金を白色系の金属にするんですね。それをWG、ホワイト・ゴールドと言います。
逆に、割金に銅を多くすると『ピンク・ゴールド』になります。

 


右下の部分がピンク・ゴールドです。

 


左上の部分がピンク・ゴールドです。
ピンク・ゴールドと呼びますが、実際はオレンジに近い色ですね。

ピンク・ゴールドのサイズ直しについてはこちらをお読み下さい。

 

ホワイト・ゴールドの注意点

ここで、ホワイト・ゴールドについての注意点があります。
まず第1に、元々のホワイト・ゴールドの色は完全な白ではない、ということです。
金ですので、やはり少し黄色味があります。

ですから、普段製品として見ているホワイト・ゴールドは表面にロジウム加工をしています。
ロジウム加工とは、ロジウムという白い金属を表面にコーティングして、白いピカピカの光沢を出すことです。

ところがこのロジウム加工、長年使っていると取れてくるんですね。
そうすると、元々の少し黄色味がかった色が見えてきます。


上の写真は、当店で買い取りしたK18WGのリングです。
正面から見ると白くなっています。

 

しかし反対側を見ると

本来は白かったのですが、ロジウムが取れて黄色味を帯びた元々の色が見えています。
リングの反対側や側面はよくこすれるので、ロジウムが取れやすいですね。

 

なぜホワイト・ゴールドが出てきたかというと、『プラチナの代用品』として出てきました。
リーマンショックの前には、プラチナ相場はなんと1gで7,000円にもなっています。
そこでPT585なるものを開発したり、当時は金のほうが安かったので、ホワイト・ゴールド製品が増えたりしました。

ホワイト・ゴールドは金ですので、金と同じ価値があります。
どうしても「プラチナの偽物」的なイメージをもたれる方がいらっしゃいますが、そんなことはありません。

ましてや、ここ数年は金とプラチナの値段の差が少なくなっていますし、相場で言うと金のほうが高くなっていますので貴重です。

しかし、上記に書いたように注意点もあります。
・あくまで金であって、プラチナではないこと
・本来の色は少し黄色味がかっているので表面にロジウム加工をしていること
・リングなど長年使用しているとロジウムがはがれ、本来の少し黄色味がかった色が出てくる可能性があること
・金と一緒で、品位があるということ。K18WG、K14WG、K10WGなど。
つまり、K18WGとK10WGでは金の含有量が全く違うので、価値も違ってきます。

以上の注意点を踏まえた上で、ホワイト・ゴールド製品をご購入されたらいいと思います。

ちなみに、ロジウムが取れてしまった品ですが、また元のように綺麗にピカピカにすることが出来ます。3,000円+税くらいで新品の輝きに戻ります。

ロジウム加工については、こちらをどうぞ。