腕時計のバンド交換ですが、ただ単に時計本体の幅とバンドの幅を合わせればいい、というわけではありません。
バンドの取り付け方も色々ありますので、紹介していきましょう。

今回は、弓カンを使っている時計のバンド交換です。

 


こちらはバンド交換する前の状態です。
だいぶんバンドが傷んでいますね。だから交換するんですけども。

 

バネ棒を外して分解するとこうなります。

一番上が時計本体、一番下がバンド本体、真ん中の赤丸が、弓カン(ゆみかん、弓環と書く場合も)と言い、3つに分かれます。

 

横から撮った写真です。

この弓カンが入っていると少しややこしくなります。

弓カンも新しいものに替えてもいいのですが、弓カンの高さ、厚み、幅、カーブの具合によって、時計本体にぴったりとはまらない場合があります。

・・・と言うかぴったりにならない方がほとんどです。
わずかに隙間が空いたりしてガタつきます。
今回は弓カン自体は使えそうなので、バンド本体のみ交換します。

 


一番下、新しいバンドです。 弓カンのくぼみに、バンドの先端の出っ張りを合わせますので、バンド自体も先端が凸型になっているものを選ばないといけません。

 


こんな感じになりました。
弓カン自体は前のままなので時計本体とぴったりですが、赤で囲んでいる弓カンとバンドの出っ張り部分に隙間が空いています。

弓カンのくぼみ、凹み部分の幅が9ミリです。バンドの出っ張りの幅が8ミリです。
ですから合計1ミリの隙間が空いてしまいます。
このままでは、この部分が左右にガタつきます。

 


そこでこの直管(ちょっかん)もしくはフィットパーツ・フィット管の登場です。
このフィットパーツが9ミリ幅ですので、これをバンドの先端の出っ張りに被せます。

 


下から、バンド本体・フィットパーツ・弓カン・時計本体になります。
これを順番通りに組み立てていきます。

ちょっとしたプラモデルみたいな感じです。
ガンダムAパーツ、コアファイター、Bパーツみたいな(笑)

 


はい、これで完成です。赤で囲んでいるのがフィットパーツです。
全く違和感なくお使い頂けます。

フィットパーツも金色・銀色をそれぞれ1ミリ単位で揃えなければいけません。
当店では8ミリ~22ミリまで揃えています。

金属バンドの交換は、弓カンの有る無し、弓カンがあればサイズが合うかどうか、バンドの幅をフィットパーツで調整するのか、そして最後にバンドのコマ調整となりますので、結構時間がかかる場合があります。

だいたい10~20分くらいですので、お時間に余裕のある時にお越し下さい。

 

ちなみに、弓カンがなくてもバンド交換が出来なくはないです。

こちら、弓カン付きの時計です。弓カン無しで金属バンドを付けてみましょう。

 


上側、12時方向は元のままで弓カン有り、下側の6時方向が弓カン無しでバンドを付けました。
バンドと時計本体の隙間が少し気になるかもしれません。

 


この時計は弓カンが小さいので、隙間がそんなに大きくなりません。
これぐらいだったら、気にならない方もいらっしゃるかもしれません。

実際に、バンドが外れて弓カンが失くなった、と持ってこられる場合があります。
その時は元の弓カンがないので、弓カンなしで上記のように取り付ける場合もあります。

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