腕時計には時間を合わせるために使う竜頭(りゅうず)がたいていあります。
(中にはオメガのデヴィルやシャネルのプルミエールなど、竜頭が無いのもあります)
3時方向のネジの部分が竜頭です。

たいていの腕時計は竜頭を一段引くと、カレンダー付きのものは日付け合わせ、二段引くと秒針が止まり時間合わせになり、それぞれ竜頭を回して合わせます。
そして、竜頭を押し込むと元に戻ります。

それと防水時計に多いのですが、竜頭がネジ式になっているものがあります。

 


上の写真は竜頭が閉まっている状態です。普段使っている状態ですね。
時計本体と竜頭が隙間なくピタッとくっついています。

 

ここから竜頭を回してゆるめます。ゆるめていくと竜頭が跳ね上がります。

竜頭が跳ね上がって、本体と隙間ができているのがわかります。
この状態で竜頭を回しても、何も動きません。

 

ここからさらに、一段引きます。

本体とかなり隙間が空いています。

この状態でようやく秒針が止まり、時間合わせとなります。
竜頭を回すと長針・短針が動き、時間が合わせられます。

カレンダー付きのものは、この状態で日付け合わせとなります。
竜頭を回すとカレンダーが動きます。
そしてさらに引くと時間が止まり、竜頭を回して時間を合わせます。

時間を合わせると、竜頭を押し込み元に戻さなければなりません。

 

竜頭を押し込みます

するとこの状態になります。見ての通りまだ隙間があります。
しかし、この状態で竜頭が元に戻ったと勘違いされる方も多くいらっしゃいます。
これだと竜頭が上がったままなので、隙間から水や汗、湿気が中に入りかなり危険です。

ですのでここから竜頭を締めないといけませんが、竜頭を押しただけ、回しただけ、では戻りません。
中にバネが入っていますので空回りするんです。
ですから竜頭を押し込みながら回すんです。

コツがいるのと力が要りますので、女性の方やご年配の方は少し難しくて出来ないという方もいらっしゃいます。

電池交換をする時に、たまに隙間が空いたままの状態で持って来られる方がいらっしゃいます。
その場合、交換する前に隙間から水や汗、湿気が中に入っている可能性があることをお知らせします。

なぜこのようなネジ式の竜頭かと言いますと、防水性能を高める為です。
ロレックスはほとんどがこのタイプですが、竜頭をしっかり締めておかないと防水性能を高めるどころか、逆にじゃんじゃん水が入ってきますのでご注意下さい。

電池式の腕時計でしたら、電池交換をする時に気付いて説明できますが、ゼンマイ式や自動巻などは電池を交換することがないので、ご自分で気付きにくい場合がありますから、充分にご注意下さい

最後にもう一つ注意点があります。
ネジ式の竜頭を元に戻す時、竜頭を押しこみながら回しますが、その時にネジがしっかりと、かみ合っているか確認しながら締めて下さい。

雑に力任せに回すとネジ山がつぶれたり、欠けたりしてしまいます。
そうすると竜頭が締められなくなり、元に戻らない場合があります。
そうなると竜頭を交換しなければならず、金額がかさんでしまいます。

 

 
・・・ちなみにこの時計は、ボーム&メルシエのリビエラというタイプで、電池交換が非常に難しいタイプです。
特殊な工具がないと裏ブタが開かないので、1~2日お預かりします。