竜頭の修理について、少し珍しい修理をお預かりしました。
竜頭のパイプを交換するというお修理です。

 

竜頭が取れたと、ヴィフルールの腕時計をお持ちになられました。
外れた竜頭は失くしてしまったとのことです。

よく見ると竜頭のパイプがかなり変形しています。

 


この向きから見るとよくわかります。赤丸の部分がそうですね。
お客様ご自身が何かでつまんで、変形させてしまったとのことです。

ここまで変形してしまうと、さすがに元には戻せません。
それに、防水性能にも影響があります。

ではどうするかと言いますと、


実は竜頭のパイプだけ取り外すことが出来るんです。

 

 
そして、竜頭パイプだけの部品がありますので、新しいのと交換します。
ただし、竜頭パイプの直径や長さが合わないとはまらないので、どれでも交換できるとは限りません。

※2枚めの写真のように、正式な部品の名前は『ケースパイプ』です。

 

 
今回はぴったり合う竜頭パイプがありましたので、新しく交換出来ました。

 

 
竜頭をはめて完成です。

今回のお修理は竜頭、竜芯、パイプ交換で6,000円+税でさせて頂きました。
竜頭パイプの交換がありましたので、その分費用がかかりました。
竜頭は純正ではなく、代替品です。

今回は竜頭パイプが在庫にあったのでお修理が出来ました。
しかしその分修理代も高くなっていますし、竜頭パイプが取り寄せとかになると、もっと高くなる可能性もあります。

そして何よりも、合うサイズの竜頭パイプがなければ修理が出来ないです。
ですので竜頭などはもちろん、バンドの部品などもあまりご自分でいじらない方がよろしいかと思います。ご自分でいじる場合は、充分にご注意下さい。

 

竜頭パイプ(ケースパイプ)の交換について

●パイプの直径や長さ、竜頭の形状(ネジ式など)によって金額が変わりますので、お見積りとなります。
●合うパイプがないと、修理が出来ない可能性もあります。
●防水性能は保証できません。
●全ての時計に竜頭パイプが付いているわけではありません。

このように、竜頭パイプのない腕時計もあります。
※わかりやすように、竜頭を少し抜いた状態です。

※ネジロック式の竜頭以外で、竜頭パイプを交換するのは珍しいです。
今回の修理以外にも1件だけ交換したことがありました。
それは竜頭パイプが折れて、時計本体に根本が残っている状態でした。

上手く交換出来ましたが、下手すると竜頭パイプが取れなくなる可能性もありますので、竜頭への衝撃は十分にお気をつけ下さい。

※郵送でのお修理も受け付けています。
お問い合わせはメールでお気軽にどうぞ。
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