ロジウム加工とは、ロジウムという金属を表面にコーティングすることです。

WGって何???のホワイト・ゴールドの注意点でも簡単に書きましたが、ホワイト・ゴールド以外にもプラチナやシルバーなどの白色系の貴金属には、ロジウム加工をしているものが多いです。

ロジウムの特徴とロジウム加工をする目的を簡単に書きます。
・反射率が高い → 表面を綺麗にピカピカにする(光沢がでる)
・硬度が高い → キズを付きにくくする
・耐食性に優れている → 汚れなどから貴金属を守る(変色しない)

こういう特徴と目的がありますが、いくらロジウム加工していても、長年使っているとキズも付きますし光沢も落ちてきます。

 

こちらは当店で買い取りしたK18WGダイヤリングです。
  
正面・後ろ・側面とあり、正面は普通に見えますが、後ろ・側面は少し黄色味がかったホワイト・ゴールドの元の色が見えています。
黄色味具合は品物によって差がありますが、ロジウム加工が取れるとだいたいこうなります。

 

  
こちらの写真は、同じ品をロジウム加工した後の写真です。
ロジウム加工する場合には、表面のキズを取ってなめらかにします。
仕上がりはキズもなく、ピカピカに光沢もあって本当に綺麗になります。

こちらの修理、ロジウム加工+仕上げ直しで3,000円+税になります。
宝石によっては、いったん宝石を外さないと出来ないものもありますので、リングの大きさや、付いてる宝石によって金額は変わってきます。

 

SV(シルバー)について

続いてはシルバーです。
ネックレスの金具の写真で見比べてみましょう。

 


左側がロジウム加工しています。右側がシルバー本来の色(少し白っぽい)です。

シルバーは空気中の硫化水素と反応して、黒くなってしまいます。
シルバーをそのままで放っておくと、いつの間にか黒ずんできたりします。
ビニールなどの袋に入れて、なるべく空気に触れさせないようにするといいでしょう。

温泉など硫黄が含まれている物に触れると、真っ黒になってしまいますね。

ロジウム加工していると、変色はしにくいし長持ちします。
ティファニーはロジウム加工していないので、黒ずんでしまいクリーニングに持ってこられる方が多いです。

当店では、シルバーのネックレスやリングのお修理も承っておりますが、ロジウム加工をしているのか、していないかで金額が変わってきます。

 

最後に下の写真をご覧下さい。

左から、PT850→K18WG→SV(ロジウム加工)→SV(ロジウムなし)

左の3つは素材はそれぞれ違いますが、ロジウム加工しているので見ただけでは素材はわかりません。
ご購入の際は、見た目がプラチナでも素材と品位を充分に確認してからご購入下さい。

特に通販やネット販売ではわかりにくいです。
プラチナと思って買ったらホワイト・ゴールドだった・・・・はまだマシな方です。
プラチナだと思っていたら、シルバーだった・・・・という場合もあります。

これは、シルバー素材に『プラチナ仕上げ』や『プラチナ・コーティング』などと表示してあり、勘違いされる方がたくさんいらっしゃるからです。
(買い取りの時に説明して、気付かれるパターンが多いです)

プラチナ仕上げ、プラチナ・コーティングと言っても、ほとんどがロジウム加工のことです。
ロジウムもプラチナの仲間の貴金属ですし高価な金属ですが、実際にプラチナをコーティングしているわけではありません。

プラチナ製品自体もロジウム加工して、輝きや光沢を出しています。
そういう意味では『プラチナ仕上げ』や『プラチナ・コーティング』ですが、これについて詳しい説明をしていないお店は、表示が紛らわしいし、少し悪意を感じますね。

長くなりましたが、最後にロジウム加工の呼び方についてです。
ロジウム加工、ロジウムメッキ、ロジウムメッキ加工、プラチナ仕上げ、プラチナ・コーティング・・・色々ありますが、全部同じ意味です。

メッキ、というと安っぽい感じがしそうですが、上にも書いたようにロジウム自体が非常に高価な金属です。
宝石業界でも、プラチナ、ホワイト・ゴールド、シルバーにロジウム加工をするのはごく一般的です。
(プラチナ仕上げなどの呼び方は、どうしても違和感を感じますが・・・)

当店では、ロジウム加工、もしくはロジウム仕上げ、と呼ぶようにしています。
ロジウムメッキの呼び方は、やはりイメージ的に避けてしまいます(笑)