ブランドリングのサイズ直し、次はカルティエ・ラブリングの、しかもピンクゴールドです。
お客様が、購入したカルティエのショップに持って行かれましたが、「出来ません」とあっさり断られたみたいです。

 

 
カルティエ・ラブリング、通常のK18に見えますが、ピンクゴールドです。
なおかつ1サイズ大きくです。

こちらでピンクゴールドについて少し説明しましたが、通常のK18より多く銅が含まれています。
銅は金よりも硬い、割れやすい、変色しやすい、という性質があります。
しかもブランドの指輪は厚みがあるので、余計に難しいです。

 

内側の刻印も見てみましょう。
 
カルティエのマークと、購入の際に文字入れをしたイニシャルと数字が入っています。

注意事項としまして
・サイズを足した部分・カットした部分の、外側のデザイン・文字の間隔が変わります。
・内側の刻印は消える、もしくは薄くなります。
・サイズを大きくした部分の色がわずかに変わります。
・サイズを足した分、真円にならない場合があります。

この4つを了承していただきました。

 

こちらが出来上がりです。
 
めちゃめちゃ綺麗になりました。
銅は変色しやすい、とはこのことですね。
1サイズ分、約1mmほど足していますが、どの部分なのか全くわかりませんでした。

 

内側の刻印です。
 
ブランドのロゴ等は大丈夫です。
後から入れたイニシャルと数字はかなり薄くなってしまいました。

写真ではほとんど消えてるように見えますが、実際はもう少し残っています。
字体が変わっても良ければ、アルファベットや数字は入れ直すことが可能です。

なぜ内側の刻印が薄くなるかというと、サイズを直した時に内側にキズがつく時があります。
それを綺麗に仕上げるので、刻印が薄くなります。

メーカーのロゴなどは元々深く彫っているので、薄くなることはあっても消えることはほとんどありません。
しかし、後から彫った文字入れは、そんなに深く彫らないので薄くなったり消えたりする場合があります。

 


真円にならない場合とは、サイズを足した部分が平たくなり、この角度で見た時に、真円にならないという意味です。
写真のように1サイズ大きくするぐらいでは大丈夫のようです。

今回のお修理
カルティエ・ラブリング PG(ピンクゴールド)
サイズ直し・1サイズ大きく (仕上げ直し込み)
12,000円+税でさせていただきました。

 

ピンクゴールドのサイズ直しについて

ブランドである・ないに関わらず、ピンクゴールドのリングのサイズ直しは非常に難しいです。
上にも書いたように、通常のK18より銅が多く含まれているので、硬くて割れやすいからです。

さらに色合いの問題もあります。
一般的にK18ピンクゴールドの地金の割合は
金75%、銅17.5%、銀7.5%と言われています。

しかし、これにパラジウムが混ざったり、銀と銅の比率がメーカーによって違ったりします。
ほんのわずかな比率の違いでも、色合いが変わってきます。
ですので、サイズを直した部分の色合いが変わる可能性が出てきます。

お修理をする場合は、このようなことを了承していただく必要がございます。

郵送でのお修理も受け付けています。
お問い合わせはメールでお気軽にどうぞ。

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