指輪の型直しについてはこちらで書きましたが、ではなぜ指輪が歪んだり曲がったり変形するのでしょうか。

たいていのお客様は『何もしていないのに気付いたら変形してた』とおっしゃいますが、そんな摩訶不思議なことはありません(笑)

ちゃんと原因があります。主に2つあります。
まずは変形した直接の原因です。

指輪が変形するのは、手をぎゅーーっと強く握ったからです。
その時に指輪に圧力がかかって変形してしまいます。

どういうことかと言いますと、指輪をはめている手で
・重い買い物袋をぎゅっと握った
・自転車のハンドルをぎゅっと握った、もしくは急ブレーキをかけた
・電車やバスのつり革や取っ手を強く握った
・重たい鞄を持ち上げた、長時間持っていた
・披露宴や入学式・卒業式などで拍手した

などが考えられます。女性の方でしたら、上の二つがほとんどです。
それと、なるほどと思ったのが最後の『拍手した』です。

実際にあった話ですが、友人の披露宴に出席して帰ってくると指輪が変形していたそうです。
披露宴だと拍手する機会が多いですし、ついつい力が入ってしまいますしね。

よく、宝石のサイトを見ていると変形の原因に『金やプラチナは柔らかい。PT1000は特に柔らかい。』と書いてあります。

しかしそうではなくて、上に挙げた原因、この状態が皆さんが思っているよりもはるかに強い力が指輪に加わっている、ということです。

そりゃそうです。いくら柔らかいと言っても、変形した指輪が指でつまんで直るわけではありません。(純金は曲がりますけど)

型直しの修理は、変形した指輪をガンガン叩いて直します。
それぐらい力を加えないと直りません。
逆に言うと、それだけの力が加わったので変形したのです。

 

次に2つ目の原因ですが、指輪に原因がある場合です。
先ほど、金やプラチナが柔らかいから変形するのではなくて、強い力が加わって変形しますと書きました。

しかし、あまりにも細い、とか薄いリングだと、さすがに変形しやすいです。

それとこれは私の経験ですが、サイズが大きすぎると変形しやすいです。
サイズが大きすぎると、指とリングの隙間が大きくなります。
その分、力が加わると変形しやすくなります。

よくお客様が『こんなに曲がった状態で、よく指にはまってたわ』とおっしゃいます。
それは、変形してもはめられるくらいにサイズに余裕があった、つまりサイズが大きすぎた、ということです。

ですのでリングの型直しをする場合は、サイズを縮めることを一緒にお勧めしています。

●あまりにも指輪が変形して困る方は、指輪を厚くする修理もございますので
こちらをどうぞ→指輪を太く・厚くしたい~腕替え~