こちらで、『竜頭にご注意』という話を書きましたが、皆さん本当に気をつけて下さいね。
1ヶ月に1~2個は、ネジロックの竜頭が開いたまま持って来られる方がいらっしゃいます。
中を開けると、サビが入っていたりして電池を替えても動かない場合があります。
そうなると、もう分解掃除をするしかありません。

商売上、お店の立場としては分解掃除して頂く機会が増えて有り難いのですが、お客様の立場になると、やはり無駄な出費はない方が良いに決まっています。本当にお気を付け下さい。

時間合わせや日付け合わせなどで竜頭をさわったときは、特に注意が必要です。
それと、汗や水などの濡れた手で竜頭を開けないようにして下さい。
それだけで隙間から湿気が入り、竜芯がサビてしまいます。

さて、その『竜頭にご注意』の話の中に「竜頭がない時計があります」と書きましたが、先日ちょうど竜頭のない時計の電池交換をお預かりしました。

オメガ、ショパール、ブルガリ、ラドーなどのブランド品に多いのですが、今回はシャネルのプルミエールでございます。

  
ごらんのように、竜頭や本体からの突起物が全くありません。

竜頭のないメリットは、竜頭が壊れない、ということです。
竜頭は本体から飛び出ていますので、どうしても当たって壊れたりします。
竜頭を何回も回す内に竜頭がすり減ってしまったり、そのために防水性能が落ちてしまったりします。

また、長く竜頭を使わないと固くなってしまい、竜頭が回らなくなったり、無理に引っ張って抜けてしまったりと、竜頭に関するトラブルは結構たくさんあります。

竜頭がないと、そういったトラブルが起こらないのが良いですね。

ただ、竜頭のない時計の電池交換は出来ますが、動かなくなったり調子が悪くなると、機械が複雑で時計屋さんではどうすることもできません。

ある意味時計屋泣かせです。分解掃除などは直接ブランド店に持っていって頂くしかありません。

最後にこの時計の時間の合わせ方ですが、裏側にあるボタンを押せば針が回り始めます。

オメガは3時方向の側面にボタンが付いていたりします。
最初に竜頭のない時計を見たときに驚いたのを、今でも思い出します。